Boldog karácsyonyt! メリークリスマス!
クリスマスの食卓といえば何をイメージされますか?
鶏の丸焼き?いえいえ、ハンガリーでは事情が大きく異なります。
今回はそんなハンガリーのクリスマスの食卓事情を覗いてみましょう。
目次
クリスマス前は魚売り場が大賑わい!
ハンガリーのクリスマスは魚食です。
そのため、市場に出向いてみると魚売り場の賑わい具合が尋常じゃないという光景もよく目にします。
内陸国で魚食というのも意外に思われるかもしれませんが、ハンガリーではコイやナマズはもちろん、ブシャ、サケ・マス類、挙句にはなんとチョウザメまで幅広い種類の淡水魚が手に入ります。
それにしてもなぜハンガリーではクリスマスになると魚を食べるのでしょうか、次のコーナーでみていきましょう。
魚はキリスト教の象徴?
クリスマスに魚を食べるのはハンガリーだけにとどまりません。
ポーランドやスロバキア、チェコ、ドイツなどでもクリスマスは魚食です。
厳密にいうと、クリスマスに食べられる魚は基本的にコイですが、ナマズなど他の種類を食べる家庭も多いです。
なぜこれらの地域ではクリスマスに魚が食べられるのか、その理由はずばりキリスト教にあります。
ローマ帝国時代にキリスト教徒が迫害されていたとき、魚のマークを暗号に連帯していました。
イエス、キリスト、神の、子、救い主のギリシャ語の頭文字を繋げると魚を意味する「イクテュス」になります。
これが魚がキリスト教の象徴となった所以であり、クリスマスに魚を食べる所以でもあるのです。
ハンガリーのクリスマスの食卓
それでは実際にハンガリーのクリスマスの食卓にどんな料理があがるのかみていきましょう。
今回はコイ料理を中心に紹介していきます。
ハラースレー(Halászlé)
ハラースレーは直訳すると「魚の汁」になります。
例えるならパプリカやトマトをふんだんに使ったあら汁といったところでしょうか。
コイを丸ごと1尾買った際、頭と尾びれに近い部位はハラースレーの材料となります。
実際に現地で作ってみたので別の記事で作り方などじっくり紹介しようと思います。
クリスマスの定番料理の一角をしめていたハラースレーですが、近年では必ずしも作られなくなりつつあるようです。
コイの出汁とパプリカ、トマトのパンチの効いたあっさりとしつつコクもある味わいは一度食べたら忘れられません。
コイの焼き物
先ほどのハラースレーを前菜だとすればメインディッシュはコイの焼き物になります。
一口に焼き物とはいっても塩焼きからパプリカ焼きなどバラエティーがあり、家庭によってはフライにするところもあります。
写真はコイの塩焼きですが、コイというのは想像以上にジューシーで濃厚な味わいが楽しめる魚です。
一言で言うなら「脂の乗りが素晴らしい」といったところでしょうか。
そしてなんと言っても臭みがないのがハンガリーのコイのいいところです。
ぜひ味わってみて下さい。
焼き菓子も
家庭によりけりですが、クリスマスには大抵の場合焼き菓子もつきものです。
各家庭によってカラーチ(甘いパン)からクッキー、ケーキ類まで焼くお菓子は様々です。
今回はその一例として中にクルミのペーストなどを詰めて焼いたポジョニ・キフリと呼ばれるパンをいただきました。
クリスマスに魚を食べるのは魚がキリスト教の象徴だから!
改めてなぜハンガリーではクリスマスに魚を食べるのかまとめましょう。
ずばり!魚はキリスト教の象徴だったからです。
そして私はコイ料理が大好きなのでハンガリーのクリスマスは常に待ち遠しいです。
クリスマス前後の時期にハンガリーに来ることがあればぜひ、ハンガリーのコイ料理を堪能してみてはいかがでしょうか?