ハンガリー観光でよく目玉に挙げられるのはブダペストだけではありません。
「ハンガリーの海」とも呼ばれ、ハンガリー西部にある長さが半端じゃないバラトン湖もまた世界中から旅人を引き付ける人気スポットになっています。
ただ、琵琶湖をイメージしていただければ分かりやすいかと思いますが、とにかく大きい湖なのでどこから攻略しようか悩みどころです。
今回はそんなバラトン湖について様々な側面から紹介していきますので、参考になれば幸いです。
それでは目次をどうぞ!
目次
バラトン湖の概要
バラトン湖を無理やり一言で表せば日本最大の湖である琵琶湖を横に倒したようなイメージです。
バラトン湖の長さは約78㎞と、東京駅から上野東京ラインか東北新幹線で小山駅に行くのとほぼ変わりません。
一方で、湖の幅は長くても12㎞、地図をご覧になればお分かりかと思いますが、湖の東側のくびれのようになっている部分の幅が極端に短くなっています。
バラトン湖東部に大きく突き出したティハニ半島(Tihanay)と対岸のサーントードは僅か1.5㎞しか離れていません。
それにしても改めて地図を見ると以前に紹介したタポルツァが意外に近いですね....。
また、湖の大きさの割には全体的に浅いというのもバラトン湖の特徴です。
平均水深は3~4m程度で、一番深くても水深11mにとどまります。
これほど浅かったたため、かつては冬になるたびに湖面が凍結し、凍結した湖面を通って対岸の町へ繰り出すという光景も見られたそうです。
現在では温暖化の影響でバラトン湖の湖面凍結が滅多にみられなくなりつつあります。
なお、2012年2月には辛うじて凍結したバラトン湖の湖面を車両で移動しようと試みるものの、氷が薄かったために重さに耐えられずに水没したというニュースは当時のハンガリーではトップニュースになるほど世間をにぎわせました。
泳いだり、ボート漕いだり....
筆者は脳みそがおかしくなってしまったのか、近頃は寒い時期にばかりバラトン湖へ行くものですから、ろくに泳いだりということはしていません(汗)。
そんなバラトン湖の沿岸の町には至るところにシュトランド(Strand)と呼ばれるビーチがたくさんあり、そこで湖水浴が楽しめます。
運が良ければバラトン湖に生息する魚にも会えるでしょう。
なお、バラトン湖の幅が最も狭くなるティハニ半島とサーントードの間では定期的にアマチュア横断水泳大会が開かれるので、泳ぎに自信のある方はぜひエントリーしてみてはいかがでしょうか。
ほかにもスワンボートで湖を漕ぐなんていうアクティビティもあったりします。
ただし、いくらウォーターアクティビティがさかんとはいえ、ダイビングは行われていないようです。
遠浅なので一見するとビギナーでも問題ないように思われるかもしれませんが、実際に泳いでみると分かります(笑)。
バラトン湖は温暖な上に遠浅、さらに多数の河川が流入してきて栄養豊富な土砂なども流してくるなどの条件が重なってプランクトンが大量発生しやすいため、少し沖に出てみたらとにかく視界を確保しづらかったなんてこともざらにあります。
水際付近だと案外透き通っていたりすることが多いんですけどね。
豊富なハイキングスポット
湖に沿ってバードウォッチングしながら歩くも良し、周辺の村を回るもよし、周辺の山を登るもよし!
バラトン湖や周辺地域はとにかくハイキングスポットが多いです。
特にバラトン湖の北側にはまるで大きなテーブルのように見えるバダチョニ山やセントジェルジ山をはじめ、個性的な山々が連なっています。
そんな山々を歩いてみると時代の変化に埋もれた史跡であったり、見慣れない植物に出くわすこともあるので、なかなか興味深い体験になること間違いなしです。
なお、筆者がバラトン湖に行くときの主目的はむしろ周辺の山々でのハイキングになりがちで、バラトン湖の北西側の山々はほぼ制覇しつつある状況です(笑)。
バラトン湖周辺は史跡の宝庫!
先ほどのハイキングにもつながる話ですが、バラトン湖周辺は史跡の宝庫でもあります。
中でも特に多いのが城跡です。
かつてバラトン一帯ではオスマン帝国による征服戦争とオスマン帝国統治末期に至るまでオスマン軍との激しい戦闘が繰り広げられました。
特にバラトン湖の北側は山が連なっていたこともあり、セィグリゲット城跡(Szigligeti vár)に代表されるような山城が次々と築城されました。
オスマン軍による猛攻に加え、対ハプスブルク戦争(ラーコーツィの独立戦争)敗北後に当時のハプスブルク体制により取り壊された城も少なくなくありません。
そのため、何気なく山を登っていたらそこは実は山城の跡だったということもあったりするわけです。
バラトンワインも有名!
ハンガリーを代表するワインはトカイ(Tokaj)ワインのみにあらず!
実はバラトンワインもまたハンガリーを代表するワインとして有名です。
バラトン湖の北側は山々が連なっており、日照にも恵まれていることから水はけのいい斜面に沿うような形でブドウ畑が広がっている光景を目にすることができます。
ブドウ畑があるということは当然ワインセラーも豊富にあり、テイスティングも楽しめます。
ちなみに筆者は恥ずかしながらどこでテイスティングをしたのかあまり覚えていませんが、一瞬時間が止まってしまう程度に美味しかったということは確かです。
なお、ワインセラーとレストランを併設しているところも少なからずありますので、併せてチェックしておくといいかもしれません。
バラトンで泊まるならケストヘイ(Keszthely)がおすすめ!
バラトン湖はとにかく広いので1日で回るというのはとても難しいです。
そのため、バラトン湖はぜひ宿泊しながら観光するのがおすすめです。
とはいえ、バラトン湖はとにかく広いのでどこを拠点にしようか悩みます。
そこでバラトン湖観光の拠点としておすすめしたいのがバラトン湖のほぼ西端部に位置するケストヘイです。
ケストヘイからはバラトン湖の南北両岸に容易に出れるという絶妙なロケーションであり、しかもバダチョニ山やセィグリゲット城跡などの個性的な名所の多くはどちらかというと西側に多く集まっています。
列車で少し北東へ進めば以前紹介したタポルツァへは1時間足らずで行けるので、ついでに洞窟カヤッキングというのもいいでしょう。
さらに、ケストヘイ市内にもシュトランド(ビーチ)はもちろんのこと、宮殿や博物館など、数々の観光名所があります。
宿が多い点も嬉しいですね。
ブダペストからはインターシティ電車又はバスで2時間半程度と、ブダペストからのアクセスも良好です。
運賃(現地通貨) | 所要時間 | 発着地 | 参考URL | 備考 | |
鉄道(2等指定席) | 4400 フォリント | 2時間36分 | ブダペスト南駅 | MÁV | オンライン割引で 3299フォリント |
鉄道(自由席) | 3710 フォリント | 2時間36分 | ブダペスト南駅 | MÁV | |
バス(直行) | 3520 フォリント | 2時間30分 | ネープリゲットバスターミナル | Volánbusz | オンライン価格 現金の場合5%増し |
バス(北回り) | 3520 フォリント | 3時間30~3時間50分 | ネープリゲットバスターミナル | Volánbusz | オンライン価格 現金の場合5%増し |
ハンガリーではユーロではなくフォリントを使用します。1円あたり2.3フォリントです。
「ハンガリーの海」バラトン湖の満喫方法は十人十色!
今回はハンガリー最大の湖にして「ハンガリーの海」という異名を持つバラトン湖の満喫方法について紹介しました。
湖とは言いつつも、陸上アクティビティもまた大いに充実した地域になっていましたね。
機会があれば次回は夏に行って水中カメラを携えて(視界が安定しない中で)泳いでみたいと思った筆者でした。
今回紹介した満喫方法はまだほんの序の口に過ぎません。
バラトン湖沿いには多くの魅力的な町、村、山、史跡などに溢れています。
次回以降は1か所づつ丁寧に紹介していきますので、楽しみにしていてください!