特にブダペスト市内を歩いているとどこからとなく甘い香ばしい匂いが漂ってくることがあります。
それも1か所ではなく、至るところでそんな匂いが漂い、筆者の心に眠るフードファイターを呼び覚ますようです。
冗談はさておき、今回はそんないい匂いを漂わせている正体であるキュレテーシュカラーチ(Kürtőskalács)について迫っていきます。
なお、ハンガリー語発音を忠実に再現するとクルトゥーシュカラーチの方が近い気がするのですが気のせいでしょうか。
目次
キュレテーシュカラーチって何?
キュレテーシュカラーチ(Kürtőskalács)について解説する前に、まずはカラーチが何なのかについて理解する必要があります。
ハンガリー語でパンは一般的にケニェールと呼ばれますが、それはあくまでも純粋な主食としてのパンを指すことが殆どです。
対するカラーチは一般的に甘いパン類に対して使われることが多いです。
その意味では以前に紹介したカカオーシュチガもその仲間と言っても良さそうなのですが、何故かカラーチとは言われません。
その上でキュレテーシュカラーチが何なのかということですが、直訳すれば「ぐるぐる巻きの甘いパン」になります。
煙突のような形をしていることから英語ではチムニーケーキなんて呼ばれたりもします。
キュレテーシュカラーチの気になる味は?
キュレテーシュカラーチは実にフレーバーが豊富です。
プレーン(ハンガリー語ではシマ)からシナモン、チョコレート、ナッツ、ピスタチオ味などがあります。
プレーンの場合は表面にザクザクした粉砂糖のようなものがついていることが多いですね。
食感については作り手によって生地の厚さなどが変わってくるため、もっちり食感のものからサクサク食感のものまで様々です。
ちなみに個人的には焼き立てのサクサク食感のものが好きなのですが、あくまでも筆者の感想なので次へ進みましょう。
キュレテーシュカラーチはどこで買える?
冒頭で先述したブダペストの街中でただよういい匂いの発信源はどこなのでしょうか。
スーパーやパン屋では扱われていないキュレテーシュカラーチですが、ブダペスト市内の至るところにキュレテーシュカラーチスタンドがあります。
値段はスタンドによってまちまちですが、だいたい800フォリント前後のものが多いです。
ちなみに参考までにブダペスト西駅前にもスタンドがあり、そこではクレジット決済も可能です。
ブダペスト西駅からの列車旅のお供にいかがでしょうか?
隣国でも食べれるキュレテーシュカラーチ
キュレテーシュカラーチですが実は隣国でも広く食べられています。
それはルーマニア西部のトランシルバニア地方(ハンガリー語ではエルデイ地方)です。
実はキュレテーシュカラーチの起源は1920年までハンガリーだったトランシルバニア地方と言われています。
1920年以降は現在に至るまでルーマニア領となっていますが、ハンガリー系住民を中心に今でも広く食べられています。
参考までにルーマニア語ではコゾナクル・セクイェスク(cozonacul secuiesc)或いはハンガリー語のまま、或いはクルトシュ(Kurtos)と呼ばれたりします。
ブダペスト散策のおやつはキュレテーシュカラーチで決まり!
ブダペストの至る所で甘く香ばしい匂いをただよわせるキュレテーシュカラーチ、この香りに気づいた時はキュレテーシュカラーチスタンドが近い証拠です。
ブダペスト散策の途中で小腹がすいたら最寄のキュレテーシュカラーチスタンドで1つさくっと食べてみてはいかがでしょうか。
個々のスタンドで味や食感も様々なのではしごしてみるのも面白いかもしれませんね。
ちなみに筆者はいつもブダペスト西駅前のスタンドで買ってから列車旅のお供にしてたりします。
読者の皆さんもキュレテーシュカラーチを片手にハンガリーの景色を堪能してみませんか?