ハンガリーは内陸国ではありますが、皆さんが思う以上に魚食な国だったりします。
そんなハンガリーでは魚をどうやって食べるのかというと、焼いたり揚げたりが基本ではありますが、それだけではありません。
中にはもはやあら汁と言っても差し支えなさそうな料理さえあり、これぞまさに今回紹介するハラースレー(Halászlé)なのです。
それでは本編どうぞ!
目次
ハンガリーのクリスマスに欠かせないハラースレー!
ハラースレーはコイなどの魚のいわば「あら」とパプリカをふんだんに使ったスープ料理で、ハンガリーのクリスマスの定番料理の1つでもあります。
なお、ハンガリーで魚料理がクリスマスに食べられるのは以前の記事に詳細がありますが、魚がキリスト教の象徴となっているからです。
さて、そんなハラースレーですが、直訳すると「漁師の汁」になります。
つまり、ハラースレーはハンガリー式のパプリカ入りあら汁と言っても差し支えないわけです。
そのハラースレーですが......クリスマスイブ当日に実際に料理しちゃいました!
実際にハラースレー作ってみた!
そんなこんなで実際にハンガリー滞在中にハラースレーを作ってみました。
ここではハラースレーの作り方について可能な限り分かりやすく紹介していきたいと思います。
なお、今回はコイを使用しました。
1.コイのあら(頭など)と玉ねぎを浸して着火
まずは鍋の中に魚のあらと切った玉ねぎを入れ、水で浸します。
玉ねぎは1玉で十分ですが、お好みで追加してもいいでしょう。
準備が整ったら着火して煮詰め始めます。
2.パプリカ投入!ただしかき混ぜてはいけない!
ぐつぐつ沸騰してきたところでパプリカの出番です。
ハラースレーで使われるパプリカは基本的にエルーシュ(Erős、辛口)であることが殆どです。
今回も辛口パプリカを投入するのですが、量としては写真のように汁の水面をほぼ覆う程度の量を入れます。
パプリカを入れて混ぜる...かと思いきや混ぜずにこのまま15分程度火をつけたまま放置します。
その間は絶対に混ぜちゃダメです。
3.コイのあら(頭など)から骨を取り除きつつ魚肉はすり潰す(ついでにトマト投入)
ハラースレーを作る工程において一番手間がかかるのがこの工程です。
魚のあらを一旦鍋から取り出し、頭などから魚肉をとってざるなどを使ってすり潰します。
その際に小骨が出ることがあるのでそれも取り除きます。
思いのほか取り除く骨の量が多く驚く一方で、やはりハンガリーのコイの脂の乗りの良さというのが触っているだけでもよく分かるもので、ついついつまみ食いをしたくなりそうでした。
もちろん、そこは我慢です。
骨を取り除き終わったら再び鍋に入れます。
その際に細かく切ったトマトも一緒に投入します。
この後は混ぜてもOKです。
4.コイの白子投入!
コイの白子は控えめに言って絶品です。
なんといっても形を保っているのになめらかにとろけるような食感とコイ特有の優しい脂の味がたまりません。
日本にいたら天ぷらにしたくなるコイの白子ですが、これを細かく切り分けて.....
ハラースレーの中に投入します!
このままさらに10分程度に詰めていきます。
余談なのですが、お好みでコイの切り身を丸ごと投入する場合もあるそうです。
なお、今回はコイを使っていますがナマズなどで代用する人も多いです。
日本だとサケの頭やタラあたりで代用できそうですね。
5.完成!そのまま食べても良し!パンと一緒に食べるも良し!
完成した時にはだいたいこんな見た目になっています。
そしてこの汁をいざ飲むと辛口パプリカのパンチとコイの脂の乗ったうま味(そしてとろける白子♪)にトマトのあっさりとした味わいが同時にきてもうたまりません!
筆者はハラースレーをそのまま食べましたが、多くの家庭ではパンにハラースレーの汁を吸わせて食べるのが定番です。
また、人によっては好みで麺と一緒に食べるなんて場合もあります。
外食(例えばSzegedi Halászcsarda )でもハラースレーを提供しているところはあるのでその際に食べてみるのもいいでしょう。
ちなみにパプリカについては日本でもコツカマチカで買えます。
ハンガリーに来たらぜひ味わいたいハンガリー式あら汁ならぬハラースレー
今回はハンガリーのクリスマス料理に欠かせないハラースレーについて紹介しました。
作り方は世辞にも楽とは言えませんが、料理工程はそれほど複雑なわけでもありません。
そして何といっても美味い!
ですのでハンガリーへお越しの際にはぜひハンガリー式あら汁ならぬハラースレーを味わっていただきたい次第です。