セィグリゲットと言い、ターティカと言い、バラトン湖周辺には城跡がたくさんあってお城巡りが好きな人には堪らない場所となっています。
当ブログはいよいよバラトン専門と言われてしまいそうな気がしているのですが、今回もバラトン湖を見下ろす名城が登場です。
今回はジュラケゼィ村にあるチョバーンツ城跡(Csobánc vára)です。
目次
ジュラケゼィ村はどこ?
ジュラケゼィ村はハンガリー西部、バラトン湖の北岸側に位置しています。
ブダペストからは南西に約164㎞程度離れている一方で、タポルツァとは隣接しています。
ケストヘイからだと約30㎞程度離れているのでアクセスはタポルツァからの方が便利でしょう。
タポルツァで洞窟カヤッキングをしたついでにジュラケゼィ村に寄り道してチョバーンツ城跡をハイキングするというのもありなのではないでしょうか。
チョバーンツ城跡へ登ろう
チョバーンツ城跡はいわば山城になっており、城跡への道はハイキングルートとして整備されています。
麓にはブドウ畑が広がっており、牧歌的な雰囲気ですが、他にも見れるものはありますよ。
ケー・マガシュ(Kőmagas)
森の中に突然巨大な岩石が集まって鎮座しているところが現れます。
これぞケー・マガシュ、直訳すると岩石の高いところといったところでしょうか。
奇妙な光景に心を奪われつつ、足場が安定しているのでピクニックにも良さそうですね。
なお、これのさらにスケールが大きくなったところが他にあるのでまた別の記事で紹介しますね。
セント・ドナート教会
ケー・マガシュを除くとチョバーンツ城跡へのハイキングルートは基本的に開けています。
ハイキングルートの中腹ではブドウ畑の中にポツンと小さな教会が立っているところが見られます。
あれがセント・ドナート教会(Szent Donát Kápolna)です。
とても牧歌的な雰囲気で風情ある写真が撮れるのではないでしょうか。
教会の中はというと、殆ど扉が閉まっているので地元民以外は基本的に入らないのでしょうね。
どこまでも続くブドウ畑
チョバーンツ城跡へのハイキングでは終盤に差し掛かるまでずっとブドウ畑を縫うように歩きます。
当時は夏から秋への季節の変わり目だったこともあり、写真のようにブドウがきれいに実っていました。
美味しそうではありますが勝手に食べたり持ち帰るのはやめましょう。
チョバーンツ城跡登頂!
グーグル地図ではハイキングルート入り口からチョバーンツ城跡まで16分というふざけた数字が出ていますが、実際は30分程度はかかります。
それはさておき、チョバーンツ城跡にいざ登頂するとそこからは雄大な景色が広がっています。
バラトン湖からそれなりに離れているとはいえ、バラトン湖や周辺の山々もよく見えます。
いつもなのかどうかはわかりませんが、パラグライダーを楽しまれている方も多く見かけましたね。
チョバーンツ城跡はハプスブルク体制への抵抗の歴史に
バラトン湖周辺の城の多くはセィグリゲットやターティカなどのように対オスマン戦役で活躍したものが多いですが、チョバーンツ城は性格がやや異なります。
城自体は13世紀中ごろには築城されており、16世紀に一度オスマン側の手に渡っていますが、オスマンが去ってから本領を発揮しました。
18世紀に入るとハンガリーでハプスブルク体制への不満が爆発し、「ラーコーツィの独立戦争」が始まり、チョバーンツ城も前線となりました。
オーストリア・デンマーク連合軍が猛攻を仕掛ける中、多勢に無勢といわれてもしょうがない状態で長期にわたって戦線を維持しました。
しかし、最終的に「ラーコーツィの独立戦争」がハプスブルク側の勝利に終わるや否やこの城はハプスブルク体制によって徹底的に破壊されました。
以来、この城はハプスブルクへの抵抗の象徴の1つとしてハンガリー人に記憶されています。
アクセス
タポルツァからジュラケゼィ村へのバスは1時間に1~2本程度運行されており、下車するGyulakezi, Posta まではものの7分で到着します。
運賃は260フォリントで、バスの運行系統は7705~7707、7942です。
中心部からハイキングルートまでは徒歩でのアクセスになります。
なお、チョバーンツ城跡は特に入場料等はありません。
寄り道も楽しめるチョバーンツ城跡!
今回は洞窟カヤッキングで有名なタポルツァに隣接するジュラケゼィ村のチョバーンツ城跡について紹介しました。
城跡へのハイキングの過程で森に突然現れる岩石のかたまりやどこまでも続くブドウ畑など、ハイキング中も見どころいっぱいです。
そんなチョバーンツ城跡にぜひ登頂してみませんか?