以前にハンガリーの食ということでハンガリー国民の小腹には欠かせないラーンゴシュを紹介しましたが、今回はハンガリー人の食卓に案外あがることが多い淡水魚について紹介していこうと思います。
今回はハンガリー人の食卓を彩る?淡水魚の第1弾ということでブシャ(Busa)と呼ばれる魚を紹介します。
「武者じゃない!ブシャだ!」
目次
ブシャは実のところハンガリーの在来魚じゃない?
ブシャというハンガリー語の名前こそありますが、実は比較的最近までハンガリーにいないはずの魚でした。
コイ科魚類の1種であるブシャが初めてハンガリーに出現したのは1960年代と実はそう遠くない昔のことだったのです。
なぜハンガリーにブシャが定着したかというと、当時の食料政策の一環として本来の生息地である中国から輸入し、各地に放流したり、養殖したりしたからです。
さて、勘のいい読者様は既視感のあるこの流れからもう既にお気づきでしょう。
ブシャには日本語名もありますし、もっと言えば日本にも定着しています(笑)。
ブシャの正体は繁殖期になると川で勢いよくジャンプするハクレンです!
ブシャ(ハクレン)の気になるお味は?
ブシャ、すなわちハクレンは日本では不評とされている一方で、ハンガリーでは正反対の好評価を受けています。
日本では上手に捌けないと癖が強い上に小骨も多いとして不評な声が多いです。
事実、ハクレンは水揚げされると激しく暴れまわるため、捌くのがとにかく大変と言われています。
他方、ハンガリーのブシャ(ハクレン)はというと味に全く癖がないばかりか、脂の乗りがとてもよく、それはまるで魚肉が口の中でとろけてしまうような素晴らしい味わいです。
と、いうことはですよ。
ハンガリーに来たら日本では味わえないハンガリーならではのハクレンを味わわない手はないのです(笑)。
ハンガリーロコから伝授!ブシャ(ハクレン)のおいしい食べ方
留学や駐在など、何らかの事情で長期滞在される方以外は基本的に外食がメインになるかと思います。
とりあえず重要なのはレストランのメニューで「Busa」を見つけることです(笑)。
それでは本題に戻りましょう。
絶対に外れない!ブシャのフライ!(Rántott Busa)
いい写真がなくて本当に申し訳ありません、本当にこれしか写真がありませんでした。
ハンガリーのとある田舎の家でお昼ご飯に誘われた際にケン〇ッキーみたいな感覚でブシャのフライが山盛りになっていまして、如何にブシャがハンガリー人の胃袋を掴んでいるか思い知らされました。
これがハンガリー人のブシャ(ハクレン)の定番の食べ方でして、味はもちろんびっくりするほど美味です。
外側はサクサクするのに時差で魚肉がとろけ出して口の中の情報量がパンクしてしまいそうです(笑)。
もちろん、日本のハクレンで言われがちな癖のある味はありません!
レストランで食べるときは「Rántott Busa」を探すといいでしょう。
自炊するならとろける食感をストレートに味わえる塩焼きもおすすめ!
自炊する場合にはレストランではなかなか食べられない塩焼きにぜひ挑戦してみてください。
塩焼きという至ってシンプルなスタイルではありますが、ハンガリーのブシャには味に癖がないため、ブシャ特有のとろける食感をストレートに味わえます。
筆者もハンガリー滞在時には時折自分でもブシャを焼いており、いつもご飯が止まらなくなっています(笑)。
なお、ブシャだけではやや脂の主張が強すぎることもあるので、トマトやネギ、紫玉ねぎなど、爽やかな味のする野菜も添えるとなお美味しいです。
筆者個人としてはトマトを予め煮詰めて置き、その中にネギやスライスしたりカットした玉ねぎを入れ、ブシャにかけるスタイルで食べています。
セロリも入れるとさらに爽やかで美味しそうですね。
ハンガリー人の胃袋を掴んだブシャをとろ~り味わおう!
今回は日本では不評だったのにハンガリーでは大好評な魚、ブシャ(ハクレン)について紹介しました。
あのとろ~りととろけるを通り越して液状化しているといっても差し支えない食感は一度食べたら忘れられない思い出になるはずです。
ハンガリーを旅行する際にはそんなとろ~りとろけてしまうブシャを味わってみてはいかがでしょうか?