エッフェル塔は紛れもなくフランスが誇る世界的な名建築です。
しかし、名建築とは言われながらも実はパリ万博が終わった当初は取り壊す予定だったらしいのが意外ですよね。
そんなエッフェル塔ですが、実は国境を越えてハンガリーにもご縁があったのはご存知でしょうか?
意外にもそれがブダペストの玄関口の1つであるブダペスト西駅(Nyugati Pályaudvár)で見られるそうなので、早速潜入してみましょう。
ブダペスト西駅ってどこ?
ブダペスト西駅はブダペストに複数ある鉄道ターミナルの中で最も抜群なロケーションにあります。
なぜかというと、ブダペスト西駅は唯一ブダペストの中心部のそれもほぼど真ん中という贅沢な位置にあるからです。
もっと言えば、ブダペストを代表する観光名所である聖イシュトヴァーン大聖堂や国会議事堂、マルギット島なども徒歩で行ける範囲にあるのでアクセス抜群です。
地下鉄ではM3号線が、路面電電車では4・6号線がそれぞれブダペスト西駅に接続しています。
ブダペスト西駅の歴史
ブダペスト西駅はハンガリーの鉄道の始まりの地といっても過言ではありません。
ハンガリーで最初の鉄道は19世紀末ごろの1846年にブダペスト~ヴァ―ツ(ブダペストから各駅停車で北へ40分)で開業しました。
ハンガリー初の鉄道路線でブダペスト側の駅となったのが現在のブダペスト西駅です。
しかし、現在でも見られるような駅舎になったのは開業してから約30年後の1877年のことです。
以来、ハンガリーは戦火に見舞われながらも当時の駅舎は時折補修されながらも現代に至るまでブダペストを見守ってきています。
さて、これだけ見るとエッフェル塔とは微塵も関係ないように思われるかもしれませんが、開業してから現在の駅舎になるまでに関わった人物こそ、エッフェル塔との縁が深い人物なのです。
設計者はギュスターヴ・エッフェル本人!
勘のいい読者様の中には駅構内の写真を見て妙な既視感を覚えた方もいらっしゃるかもしれません。
妙な既視感を覚えた方、さすがです。
何故なら現在の駅舎を設計したのはエッフェル塔の生みの親であるギュスターヴ・エッフェル本人だからです!
写真にもみられるように、ブダペスト西駅の特徴は何と言っても鉄パイプとガラスを多用した駅舎で、駅舎の中が外からでもある程度見えるようになっています。
特に晴れた日は日光も中によく入るようになっており、建屋の中にいながら大変明るいです。
建設当時においてこのような構造を採用していたのは世界初の万博となったロンドン万博(1851年)のクリスタルパレス以外にほぼなかったため、当時としては極めて先進的な駅舎だったと推察できます。
なお、現在の駅舎が完成したのは1877年で、ギュスターヴ・エッフェルの最高傑作となるエッフェル塔が完成するのは約10年後の1889年です。
つまり、エッフェルの手掛けた建築物としてはエッフェル塔よりもブダペスト西駅の方が10年ほど先輩ということになりますね。
駅への立ち入りはできるの?
結論から申しあげると全く問題ありません。
といいますのも、日本のように駅構内に改札機もなく、鉄道利用者以外の立ち入りも禁止されていません。
19世紀末から姿を殆ど変えていない美しい駅舎に今も現役で新旧様々な列車が入線してくる光景に、もはや観光スポットといっても差し支えないと思っています。
ブダペストを観光される際にはぜひ、エッフェルの手掛けたブダペスト西駅を隅々まで観察してみてはいかがでしょうか。
ブダペスト西駅に寄って建築の巨匠エッフェルの技巧を感じよう!
ブダペスト西駅はただのターミナル駅にとどまりません。
エッフェル塔の生みの親であるギュスターヴ・エッフェルが手掛けた、当時としては先進的なターミナルがそのままの姿で現代に至るまで受け継がれています。
しかも、そんなブダペスト西駅が実はエッフェル塔よりも先輩だったというのも意外だったのではないでしょうか。
ブダペストを観光される際にはぜひ、ブダペスト西駅の建築美も堪能してみてはいかがでしょうか。