以前にケチュケメートの記事で、市場に行くたびに隣接するラーンゴシュスタンドでラーンゴシュをおやつにしていたとか筆者がほざいていましたが、読者の皆様からすれば「そもそもラーンゴシュってなんぞや」となっていたことと思います。
そんな背景もありつつ、今回はハンガリー人の小腹を満たしてやまない、ハンガリーの国民食「ラーンゴシュ」についてこれでもかというぐらい解説していきます。
なお、ハンガリーの国民食とはいいつつもとある事情で近隣国でも食べられていたりもするので、その事情も知っておくと興味深いですよ。
目次
ラーンゴシュってそもそもどんな食べ物?
ラーンゴシュは揚げパンというべきなのか、揚げピザというべきなのか...。
上記の表現でいつまでも悩んでいられるくらいとにかく平たい感じの揚げパンといっておけば無難な感じの食べ物です。
揚げパンであること以外に特筆すべき特徴はなさそうに思えますが、食べ方のバリエーションがとにかく多いです。
なお、ラーンゴシュ(Lángos)のラーング(Láng)の部分は炎や火を意味するハンガリー語の単語になっています。
油で揚げるという点においては確かに火力アゲアゲでしょうね....。
ラーンゴシュの食べ方
先ほどラーンゴシュの食べ方のバリエーションがとにかく多いと申し上げましたが、筆者も全容をつかめていないくらい食べ方のバリエーションが豊富です。
早速みていきましょう!
定番はサワークリームにチーズましまし!
筆者はプレーンでも楽しめてしまう人間ですが、やはり定番はサワークリームにチーズましましのコンビネーションですね。
熱々の揚げたてラーンゴシュの脂っこさをサワークリームが中和したかと思えばチーズがとろけながらからみついてくる背徳感に満ちた美味しさがこれまたたまりません!
となりにビールがあったらたちまち止まらなくなってしまうことでしょう。
冒頭で「小腹を....」とかいってましたが撤回します。
小腹を満たすどころか満腹度120%です(笑)。
ラーンゴシュというかもはやピザ(笑)
ラーンゴシュを揚げパンと呼ぶべきか揚げピザと呼ぶべきか...。
先ほどの定番パターンからさらに発展してハムやらサラミやら野菜やら挙句にトマトソースもかかったりすることもあったり....ここまでくるとラーンゴシュは揚げパンであるのみならず揚げピザと呼んでも差し支えなくなります。
このようないわば「創作ラーンゴシュ(揚げピザ)」を味わうなら市場にあるようなラーンゴシュスタンドではなく、レストランの方が良いでしょう。
ちなみに筆者はこのような「創作ラーンゴシュ」を食べたことはハンガリーに20年以上通っておきながら一度もありません(笑)。
なぜなら......。
ハンガリーロコの定番は塩おろしニンニクましましで!
ニンニクましましは日本の二郎ラーメンに限ったことではありません。
ハンガリーのロコの皆さんがラーンゴシュを食べるときはたいていの場合、塩おろしニンニクましましです!
至ってシンプルですがパンチがききまくってこれが想像以上に背徳感あふれる美味しさなのです。
筆者も市場に寄るついでに塩おろしニンニクましましでラーンゴシュを食べて背徳感を味わいながら幸福感に浸っていました。
今度食べるときはビールも一緒に飲んで背徳感マシマシで満喫したいものです。
ラーンゴシュのおいしいところはどこ?独断と偏見で紹介(笑)
ラーンゴシュは色々なところで食べられますが、これまでの経験から「ここは美味い!」と思ったところを独断と偏見に基づいて紹介していきます。
大切なことなのでもう一度申し上げますが、このコーナーは独断と偏見に基づいて紹介しております。
ブダペストならフニャディ市場構内(Hunyadi Piac)
ブダペストの中心部にありながらこじんまりとしているフニャディ市場ですが、個人的にこの市場構内で作られているラーンゴシュはブダペスト最強クラスだと勝手に思っています。
ラーンゴシュは揚げパンであるという性格上、脂っこくてぎっとりしているというイメージがつきものですが、この市場のラーンゴシュを食べたらびっくりすること間違いなし!
揚げパンのくせにあまりぎっとりとした感じがあまりないばかりか、サクサクしててあっさりと食べつくせてしまうような感じです。
そのため、ラーンゴシュのくせにお腹に全くもたれないのが嬉しいです。
生地の分厚さが特徴的なケチュケメート市場場外のスタンド
ケチュケメート市場場外のラーンゴシュスタンドで食べるラーンゴシュは満腹を通り越して満腹度120%です。
地方にいるからかサイズもブダペストより一回り大きいように見えますが、何よりも生地の分厚さ、他と比べて分厚い!
おかげでボリューム感満載、そこにさらに塩おろしニンニクでトドメをさすわけですが、これぞまさに背徳感に溢れた幸せというものです(笑)。
多分ハンガリー最強クラスはカープタラントーティ村の日曜市(Káptalantóti Piac)!
あくまでも筆者の独断と偏見ですが、ハンガリー西部のカープタラントーティ村(Káptalantóti)の日曜市を超える美味しさのラーンゴシュには未だかつて出会ったことがありません。
1枚あたりが大きい上に揚げたての生地はふっくら、これだけでも背徳感マシマシですがそこにさらにサワークリーム、チーズ、塩おろしニンニクでオーバーキルを決めます!
ぎっとり感満載に見えてそうでもなく、ぺろりと完食できてしまうカープタラントーティ村の日曜市のラーンゴシュは満腹度200%となかなか罪深い食べ物です(笑)。
食後は時間をおいてからハイキングすることも含めて検討するといいかと思います。
実は近隣諸国でも食べられているラーンゴシュ
ハンガリーの国民食ラーンゴシュですが、実はスロバキアやセルビア、ルーマニア西部のトランシルバニア地方などといった近隣諸国でも広く食べられています。
理由はいたって単純で、これらの近隣諸国の一部はハンガリーに属していた時期があったからです。
また、ハンガリーに属したことはないものの、チェコやオーストリアなどのようにポピュラーになったところもあります。
それぞれの言語でラーンゴシュをどう言っているのか把握しておけば周辺国を旅するときに意外な場面で役に立つかもしれませんよ。
- スロバキア、チェコ、クロアチア:langoš
- セルビア:Languš
- ルーマニア:Langoși
- スロベニア:Langaš
- ポーランド:Langosz
- オーストリア:Prater
ハンガリーに来たらラーンゴシュで幸福感マシマシで味わおう!
食べ方次第で揚げパンとも揚げピザともいえるラーンゴシュでしたが、読者の皆様におかれましては空腹になっていないでしょうか。
もし涎が垂れていればぜひハンガリーへの航空券を予約して本場のラーンゴシュを満喫されてはいかがでしょうか。
食べ方は色々ありますが、ここはぜひハンガリーのロコと一緒に塩おろしニンニクましましで味わってみてください!
背徳感を上回る幸福感が読者様を待っています!